Y-Classic こども青少年クラシック音楽普及プロジェクト:公演レポート《東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」》


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 公演レポート◉                                 
東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」
20157月4日(土)公演

〜本格的なコンサート体験を子どもたちに伝える、
参加型企画も充実した「定期演奏会」〜
                                          
■「定期演奏会」の概要
  「こども定期演奏会」は21世紀の子どもの情操を養うため、年に4回定期的にコンサートホールでオーケストラの生演奏を聴くことができるようにと始められたコンサートです。2002年に東京交響楽団がサントリーホールに提案したのがはじまりで、現在はバークレイズ証券株式会社がスポンサーとなり、東京交響楽団とサントリーホールとの共催となっています。バークレイズは300年以上も歴史を持つ金融グループであり、芸術活動を応援することで文化の発展とコミュニティーの成長を支援しています。チケットは全席指定で、1回券は3000円、年間会員券は4公演で10000円です。
 
 コンサートには毎回参加型の企画も盛り込まれており、7月は「こどもレセプショニスト」でしたが、「楽器ワンダーランド」、「こども奏者」による東京交響楽団との共演、指揮者との懇親会というように、参加型企画の内容は毎回変わります。参加者は年間会員券の購入者から募集されます。またチラシの絵や毎年のテーマ曲も子どもたちから募集をしています。

 2015年度のテーマは〈オーケストラ・タイムマシーン〉。バロック時代からはじまり、ロマン派、近現代の音楽と、全4回のコンサートで歴史を追ってオーケストラ作品を鑑賞できるようになっています。2013年度までは東京交響楽団の名誉客演指揮者である大友直人氏を中心としたコンサートでしたが、現在は毎回替わる4人の指揮者とアナウンサーのMCによってコンサートが進められ、お話を加えながらクラシック音楽を身近に感じられるように工夫がなされています。

今回取材した「第54回こども定期演奏会」は、指揮は垣内悠希氏、ソリストが金子三勇士氏、オーケストラは東京交響楽団による演奏、テレビ朝日アナウンサーの坪井直樹氏の司会で行われました。





■第54回定期演奏会の様子をレポート!
  この日の参加型企画は「こどもレセプショニスト」でした。9名のレセプショニストが制服を着て開場の際にお出迎えをし、開場10分前のプレトークで注意事項のアナウンスを一人1文ずつ舞台上から行いました。そのプレトークでは、レセプショニスト(ご案内係)という仕事についての説明もありました。こどもレセプショニストたちは講習を受けてから本番に挑んだようです。
第54回定期演奏会では、こどもの参加型企画として、『こどもレセプショニスト』を実施。
サントリーホールのレセプショニストの制服に身を包んだこどもたちが、会場のご挨拶、入場のお手伝いを体験した

 
 いよいよ本番が始まります。まず「こども定期演奏会2015」のテーマ曲から始まりました。これは子どもたちの応募作品の中から選ばれた作品をプロの作曲家によってオーケストレーションされたものです。その後、MCの坪井さんが登場し、コンサートの説明に加え、ロマン派に関する説明をします。ロマン派のキーワードである「疾風怒濤」という言葉や時代背景などについても言及していました。子どもたちは知らない言葉が出てきても、理解しようと親御さんと一緒にプログラム・ノートを覗きながらお話を聞いていました。続いて、オペラ《魔弾の射手》序曲が演奏され、指揮者へのインタビューに移ります。垣内氏が指揮者を目指すきっかけになった、カルロス・クライバー指揮、《ばらの騎士》のコンサートでの「音楽って素晴らしい!」という感動体験を話しました。次はソリストの金子氏を迎えて、ピアノ協奏曲第1番変ホ長調から第234楽章の演奏です。演奏後、金子氏は子どもたちに向けたメッセージを語りました。6歳でハンガリーに独りで留学した話に親御さんは驚き、子どもたちも真剣に聞いていました。ここで一旦コンサートは15分の休憩に入ります。

後半は、序曲《フィンガルの洞窟》の演奏から始まりました。休憩を終えた子どもたちは、飽きることなく演奏に集中し、中には指をさしながら親御さんに質問をする子どももいました。プログラム最後の曲、交響曲第7番ロ短調「未完成」の第1楽章の説明では、司会の坪井さんから、なぜ「未完成」なのかという3択クイズが出されました。子どもたちは元気よく手をあげながらクイズに参加していました。「未完成」の演奏が終わると坪井さんから挨拶があり、アンコールに軍隊行進曲の演奏でコンサートが終わりました




■「こども定期演奏会」の特徴
こども定期演奏会は音楽だけでなくコンサートのシステムそのものにも焦点を当てているのが大きな特徴です。コンサートは1年以上前から企画を始め、参加型企画を決定しています。スポンサーの存在やチケット価格の設定、あるいは楽譜を管理する人や奏者のスケジュールを管理する人など、他にもたくさんの人が働いて、ようやく成り立つコンサートのシステムを子ども達に理解してもらえるように、プログラムに解説を載せるなどの工夫もしています。

「文化庁平成26年度戦略的芸術文化創造推進事業」において東京交響楽団のコンサート来場者および定期会員向けアンケートが201496日に行われました。その調査結果によると「こども定期」の来場理由は、オーケストラの生演奏を子どもに聴かせたいという理由が圧倒的に多く、過半数を超えています。毎年来ているからという理由が20%、子どもが楽しめるようにという理由が10%ほどあります。また1回券と年間会員券と2種類ありますが、同様の調査結果によると一回券は口コミで広まったものが圧倒的に多く、年間会員券は何年間か継続して購入されているようです。


■まとめとして
 「こども定期演奏会」は、子どもを「小さい大人」としてコンサートホールに定期的に迎え入れ、集中して音楽を楽しむ姿勢を養うコンサートです。音楽の生まれた国や時代背景などにも着眼させ、クラシック音楽の持つアカデミックな要素をわかりやすく説明しながら、音楽が楽しくなるような聴き方を子どもたちに示しています。参加型企画も充実しており、音楽に関係した特別な体験を通じて、子どもたちの成長を後押ししています。



主催:公益財団法人 東京交響楽団、サントリーホール
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
特別協賛:バークレイズ証券株式会社
後援:港区教育委員会、東京都小学校音楽教育研究会







宝くじドリーム館(大阪)ランチタイム・コンサート vol.6

2015年10月22日(木)12時より、宝くじドリーム館(大阪)にて、ランチタイムコンサート(プレミアムクラシック)vol.6が行われました。(本会企画制作事業)

タイトル「ビバ・マリンバ! わくわくコンサート♪」
出演:大熊 理津子(マリンバ)、藤岡 弘子(ピアノ)

写真右から:大熊理津子さん(マリンバ)、藤岡弘子さん(ピアノ)

宝くじドリーム館(東京)ランチタイム・コンサート vol.6

2015年10月21日(水)12時より、宝くじドリーム館(東京)にて、ランチタイムコンサート(プレミアムクラシック)vol.6が行われました。(本会企画制作事業)

タイトル「聴いて大当たり! ~J&Mゴールデンデュオがお届けする ヴァイオリンの「歌」~」
出演:大森 潤子(ヴァイオリン)、白石 光隆(ピアノ)

写真左から:大森潤子さん(ヴァイオリン)、白石光隆さん(ピアノ)

Y-Classic こども青少年クラシック音楽普及プロジェクト:企画制作者インタビュー《Concert for KIDS〜0才からのクラシック》


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 ◉企画制作者インタビュー                            
Concert for KIDS0才からのクラシック
201595日(土) 

お話いただいた方:Sony Music Foundation企画事業部チーフ 高堀明日香様
                                                                         インタビュー日:2015年9月5日(土)
毎年全国各地で行われている“Concert for KIDS~0才からのクラシック~について、Sony Music Foundationの企画事業部チーフ、高堀明日香さんにお話しを聞くことができました。高堀さんがこのコンサートの企画をするようになってから8年、企画に込められた思いや工夫について伺いました。


■お客様の声から生まれたコンサート■
―――0才から入場できるコンサートというのは数少ないように思います。0才から入場できるようにした理由は何ですか。
 Sony Music Foundationでは、1985年より「0才から」のクラシックではなく、「0才まえ」のコンサートとして、妊娠中のお母さんたちを対象にしたコンサートを行っていました。そちらのお客様から、「妊娠中にはコンサートを聴けたのに、子どもを産んでからはそういう機会がなくなってしまった」というお声をたくさんいただいたことをきっかけに、1999年から今回のように0才から入場できるコンサートを企画しました。当時は0才から入場できるコンサートはなかったので、お客様に無料で来ていただいて、その代わりに「アンケート」に答えていただいていました。お客様のお声を聞きながら、コンサートの開演時間や全体の時間などを設定しました。
今でもアンケートは続けていて、毎回楽器を変えたり曲を変えたりしているので、それらについてのフィードバックを得て次の演奏会へと活かしています。アンケートは出してくださったら、その場でステッカーを差し上げているので喜ばれているようです。



―――アーティストの方たちも、アンケートの結果をご覧になっているそうですね。  
 そうですね。「見たい」とおっしゃるアーティストが多いです。客席の反応は演奏中に感じられるそうですが、実際に「あの曲が良かった」ですとか、「あの時の動き方が可笑しかった」など、お客様が具体的にいろいろなことを書いてくださるので参考にされています。その上でアーティストの方も「次はこうしようかな」とか、「この曲とこの曲は一緒にしない方が良かったかな」と意見を出してくださいます。そこから私たち企画制作者との相互作用を働かせ、ブラッシュアップしています。



■いろいろな楽器の音を子どもたちに届けたい■
―――出演を依頼するアーティストはどのように決めていますか。
子どもたちが聴きにきているコンサートだということを、深く理解してくださるアーティストに出演していただいています。そうしたアーティストさんは決して多くはありません。アーティスト同士のつながりで紹介していただくこともありますが、文化や芸術によって豊かな地域づくりに貢献されている『一般財団法人 地域創造』へ登録されているアーティストに多く依頼しています。この財団に登録するためにはオーディション等があり、演奏技術も保障されていますし、財団の考え方に基づきこのようなコンサートに対して理解のある方が多いです。 



―――ユニークな楽器編成ですが、どのようにして決めていますか。
 子どもたちにさまざまな音色を聴いてもらいたいという想いから、いろいろな楽器編成を組んでいます。アーティストさんも「新しい楽器を入れるべき」と考えてくれています。ピアニストと歌手は、どの公演にも出演してもらい、歌手には進行役もお願いしています。それ以外の楽器については、ホールや、公演回数によって考慮しています。初めてのホールであれば、誰もが知っているようなヴァイオリンやフルートといった楽器を入れたり、リクエストにお応えしたりしています。場所によっては、アーティストさんとホールがつながっていて「この人に来てほしいからConcert for KIDSをやってください」とお願いされることもあり、それで編成が決まることもあります。なかのZEROでは、何年もやらせていただいているので、毎回新しい楽器にしたいと考えています。ホールがとても広いので、今回は見た目がワイルドなマリンバや音が通りやすいトランペットを入れました。
 このように、公演ごとに楽器編成が変わってくるので、演奏曲は楽器編成に合わせて、名曲をアレンジしています。なるべく原曲に近い形で、子どもたちが大きくなってから聴いたときに違和感を感じないよう、アーティストと相談しながらアレンジを行っています。



■全国で年間約20公演、小さな公民館でも■
―――Concert for KIDSは、全国各地で行われていそうですね。
 毎年全国で約20公演行っています。ほとんどの都道府県で行っています。大都市や大ホールが主催する子ども向けコンサートはいろいろありますので、私たちは小さな町の公民館など、クラシックのコンサートをあまりやっていないような場に行って公演していることが多いです。舞台と照明、音響装置があればどこでも大丈夫です。公演日は土、日、祝日をメインにしておりますが、土日休みでない方もいらっしゃるので東京では水曜日の公演もあります。この公演は0~2才の子どもたちが多く、毎年完売しています。
 社会貢献や良いものを提供したいと思っている自治体やホールが主催してくださるため、こちらから公演の営業をしたり、ホールとホールの間の口コミで「良いよ」と言ってくださって企画が実現したりするなど、公演が決定する方法はさまざまです。企画の特性上、入場料はそんなに高い金額を設定できないため、主催者の方にとっては赤字になることが多いという側面も多少あるようですが、私たちも主催者の方たちも、お互いに「良いものを作りましょう」という気持ちで開催しています。たとえばホールが主催の場合は、子どもの頃からホールに足を運ぶことで、「小さい時に来た!」という気持ちで将来のお客さんにつなげていきたいといった想いもあるのではないでしょうか。やはり生ですばらしい音楽を聴くことは、心に響き、心に残ると思います。 
また、全国的に見ればまだ公演をしたことがない都道府県がいくつかあるので、今後も積極的に公演を行いたいと思っています。 
⇒Concert for KIDS公演情報のページはこちらをクリック★


■「敷居が高い」というイメージを取り除きたい■
―――Sony Music Foundationさんがこの公演を行う最大の目的とは何ですか。
 クラシック音楽に対して「敷居が高い」というイメージを取り除きたいですね。クラシック音楽が難しくない、とは言いませんが、「難しいから行けないわ」「どんな格好していいかわからない」という気持ちをなくして、とりあえず来てみて楽しんでいただきたいです。音楽はクラシックだけが全てではないので、ポップスや、吹奏楽やJAZZなどと並び、1つのジャンルとして、クラシック音楽に触れていただきたいです。全国でコンサートを聴いてくださり、クラシック音楽ファンのお子さんが増えたら良いなと思います。




Y-Classic こども青少年クラシック音楽普及プロジェクト:公演レポート《 Concert for KIDS〜0才からのクラシック》


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 公演レポート◉                                 
             Concert for KIDS0才からのクラシック
201595日(土)公演

ユニークな編成とアーティストの笑顔が
クラシック音楽に0才のKIDSを迎える〜 
                                          
■場内には授乳室も 気配りあふれるコンサート
 Sony Music Foundationの企画制作で行われているConcert for KIDS~0才からのクラシック~はとても温かみのあるコンサートで、小さいお子様を連れたご家族の笑顔あふれる素敵な公演です。今回は全国各地で年間20公演ほど行われているうち、中野区 “なかのZERO”で行われたコンサートに足を運んできました。
 このコンサートは、“0才からの~”と謳っているだけに、ホワイエから工夫に溢れています。たとえば、コンサートで使われる楽器のイラストが描かれたパネルや、コンサートのマスコットキャラクターのパネルが、子どもたちの目線の高さに置かれています。知っている楽器のイラストを見つけて嬉しそうにしている子どもたちや、親子でキャラクターのパネルの前で記念撮影をしている姿が多く見られました。場内には、授乳室やオムツ替えのスペース、ベビーカー置き場が設けられ、設営から親子連れへの気配りが感じられます。客席に入るとたくさんのご家族からの楽しそうな声があちこちから聞こえてきます。そして、いよいよ待ちに待った演奏が始まります。
開場すると、キャラクターのパネルと記念撮影を楽しむ親子も

ロビーではパネルで楽器を紹介

開演前、ステージにはキャラクターがお出迎え




■ユニークな楽器編成で、クラシックの名曲から童謡まで
 今回はソプラノ(鵜木絵里さん)・トランペット(上田じんさん)・マリンバ(浜まゆみさん)・ピアノ(新居由佳梨さん)という一風変わった楽器編成でプログラムが組まれています。曲目は《くるみ割り人形》より〈行進曲〉、《トルコ行進曲》、オペラ《ラ・ボエーム》より〈私が街を歩くと〉や《熊蜂の飛行》、《トランペット吹きの休日》などのクラシック音楽の名曲が並びます。一方で、『どんぐりころころ』や『アイアイ』などの童謡なども含まれています。全16曲で構成され、それらがちょうど1時間という限られた時間の中で、次々と演奏されていきました。
曲と曲の間には楽器紹介や曲紹介が、ソプラノの鵜木さんによってわかりやすい言葉で説明されました。
今回の編成は、ピアノ、ソプラノ、トランペット、マリンバ



■客席の子どもたちが演奏に参加できるコンサート
 通常の大人向けのコンサートでは、客席が真っ暗になるものが多いですが、照明が1曲の間に徐々に暗くなったり、また完全に暗く落とすこともないなど、子どもを不安にさせたり驚かせたりしないための工夫が多く感じられました。
また、子どもたちが間近で音を聴き、音楽を感じられるようにと、アーティストたちがステージから下りて演奏したり、客席後方から登場したりする演出もあり、子どもたちは顔だけでなく身体ごとアーティストの方へ釘づけになっていました。
さらに、音楽を聴く時間だけでなく、一緒に童謡を歌ったり、手拍子や足踏みで一緒にリズムを刻んだりするなど、アーティストと共に子どもたち自身も演奏に参加する時間も設けられていました。終演後には「手を叩くのが楽しかった」と言う幼稚園児の男の子や、「リズムで体を動かしていました」と10ヵ月児のお母様がお話してくださるなど、反応の大きなコーナーでした。子どもたちにとって、音楽を聴くことはもちろんですが、一緒に音楽を作る体験は音楽そのものを感じる心の育成に欠かせないことでしょう。それを上手くプログラム内に組み込んでいることが感じられました。
子どもたちが参加できるプログラム『トルコ行進曲』は、このコンサートの定番曲!毎回のように演奏され続けており、「前回できなかったリズム打ちが、できるようになっている!」など、子どもの成長を見守るご両親にとっては成長を実感する機会となっているようです。
会場内をアーティストが歩きながら演奏する場面も



企画制作者とアーティストが力を合わせて作り上げる
 演奏中に赤ちゃんの泣き声がしたり、客席の子どもたちが演奏に参加したりする子ども向けのコンサートには、アーティストの方々の協力がなくては成り立ちません。
 アーティストたちは「大きな声をあげたり、動き回ったりしても、それが子どもたちの『楽しい』という反応です。それを見て、私たちもエネルギーをもらっています」、「会を重ねつつ、企画制作者さんと出演者である私たちとで一緒にやり方を考えながら、子どもたちにとってよりよいコンサートを作り上げています」とお話してくれました。実際、客席から見ていてもアーティストの方が、子どもたちとのふれあいを心から楽しんでいる様子が伝わってきました。アーティストと企画制作者との距離もとても近く、終演後の楽屋で話している様子からは、企画制作者からの依頼でだけでなく、アーティストからの提案も組み込みながら作られているコンサートであることが伝わってきました。



子どもは音楽を楽しみ、大人は子どもの成長を実感する
 クラシックの演奏会の中でも、0才児から入場できるこのコンサートは多くありません。「なかなか小さな子どもを連れて入れるコンサートがないので、一緒に聴くことができて嬉しい」とお話してくれたクラシック音楽好きなお父様や、「小さな子から聴くことのできるコンサートを探していたら見つけたので、足を運びました」というお母様もいらっしゃいました。
 また、ピアノを始めたばかりの男の子を連れたお母様は「かっこいい、かっこいいと聴きながら言っていたんです」と、子どもが本物を見ることの良さを再確認できるようなエピソードを聞かせてくれました。
 そして、驚いたのは10ヵ月の女の子を連れたご夫婦のお話です。なんとお子さんは10ヵ月にして今回のコンサートが3回目になるそう。「初めてのコンサートの時には、何にもわかっていないようだったけれど、今回は身体を動かしていたり、好きな曲の時には食い入るように見ていたりして、成長していることを感じました」と笑顔でお話してくださいました。コンサートに足を運ぶことで、子どもの成長を再確認することもできるようです。
 コンサートの作り手の皆さんの想いがつまった“Concert for KIDS~0才からのクラシック~”は子どもたちが音楽を耳で、身体で楽しむことができ、ご家族が音楽を通して子どもたちの成長を感じることのできる素敵なコンサートでした。







主催:中野区/なかのZERO指定管理者
協賛:ソニー株式会社/ソニー生命保険株式会社
企画制作:Sony Music Foundation



「心の復興音楽基金」支援対象活動募集(2016年度前期)

一般社団法人 日本クラシック音楽事業協会
2016年度前期「心の復興音楽基金」募集要項
(対象:2016年4月〜2016年9月実施分)
一般社団法人日本クラシック音楽事業協会(以下、当団体)は、音楽家による被災地訪問演奏の活動をサポートするための助成金制度を実施します。(募集要項のpdfこちらから
1.目的 
当団体は、会員などを含め広く支援金を募り、これを音楽家による被災地訪問演奏活動の助成金として配布することで、被災地の子どもたちが音楽を通して元気になってもらうことを目指しています。この目的に合致した被災地訪問演奏活動をされている個人、団体の助成先を募集いたします。
2.助成対象者
応募できる事業は、次に挙げる要件を満たすこととします。
・ 日本クラシック音楽事業協会会員から推薦のあった個人、団体の方による事業であること
・ 2016年4月1日〜2016年9月30日までに実施予定の事業であること
3.助成金額
・ 経費(交通費、宿泊費、調律費など)を負担し、その活動を助成します。出演料、人件費(日当を含む)は助成対象ではありません、ご了承ください。
・ 一件あたり30万円を上限としますが、活動内容などを総合的に勘案して決定いたします。
  ※ 合計120万円前後への助成を想定しています。
  ※ 助成金交付は、報告書提出後となります。
4.助成条件
助成した活動について、事業後適切な活動報告書を提出して頂ける事を助成の条件といたします。
5.応募方法
当団体ウェブサイトから申請書をダウンロードし必要事項を記入のうえ、日本クラシック音楽事業協会事務局までメール添付にて提出してください。


提出書類:心の復興音楽基金申請書 (ダウンロードはこちらから。pdf word ) 
          ※必要項目をご記入頂ければ書式は問いません。
提出先:info@classic.or.jp
※ 応募書類は返却いたしません。なお、助成対象とならなかった団体を掲載・公表することはございません。
※ 応募書類に掲載いただく個人情報に関しましては、適切に管理し、本助成金の選定や連絡にのみ使用します。
6.スケジュール
情報公開:平成27年10月19日(月)
応募期間:平成28年2月1日(月) ~ 2月29日(月)必着
結果通知:平成28年3月18日(金)
     ※ 日本クラシック音楽事業協会よりメールにてご連絡させて頂きます。
助成金振込:報告書提出後随時
7.選考方法
日本クラシック音楽事業協会「心の復興音楽基金運営委員会」により選考及び決定をさせて頂きます。
   運営委員長  福田 成康   日本クラシック音楽事業協会副会長
    運営委員  栗林 信介   弁護士 
    運営委員  小坂 義人   公認会計士
    運営委員  丹羽  徹   日本クラシック音楽事業協会事務局長
  ※ 応募いただいた全ての団体に結果は通知いたしますが、選考の過程・理由については
    回答致しかねます。
8.助成金の授与
事業終了後、報告書を提出して頂き、承認後授与させて頂きます。
報告書の様式は、過去の報告書をご参考下さい。
http://www.classic.or.jp/2013/04/blog-post_4.html
9.問い合わせ
本件に関する問い合わせは下記宛にお願いいたします。
 一般社団法人日本クラシック音楽事業協会
     〒141-0031 東京都品川区西五反田8-1-1 鈴友ビル4F
   TEL:03-5719-7601 FAX: 03-5719-7603
   e-mail: info@classic.or.jp  URL:http://www.classic.or.jp/p/fukko.html

Y-Classic こども青少年クラシック音楽普及プロジェクト:公演レポート《N響ほっとコンサートーオーケストラからの贈り物ー》


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 公演レポート◉                                 
N響ほっとコンサートオーケストラからの贈り物
2015年8月2日(日)公演

N響ならではの重厚かつ華麗なサウンドで、 
 映画音楽からクラシック音楽までを楽しむ  
                                          


映画音楽からクラシック音楽へ、興味をつなげる
NHK交響楽団が毎夏恒例で行っている人気の特別公演、「N響ほっとコンサートオーケストラからの贈り物」、今年も8月2日に、渋谷NHKホールで開催されました。今回のテーマは「LET’S ENJOY FILM MUSIC♪」。普段はクラシック音楽を専門とする伝統ある楽団、N響ならではの、華麗かつ重厚なサウンドで、映画音楽の名曲を楽しめるという贅沢な内容です。公演に対する期待の大きさは、3階席までびっしり埋まった客席の様子から一目瞭然です。
コンサート当日の流れ


 公演は、第1部と第2部の2部構成。第1部は、金管楽器で高らかに奏でられた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のメイン・テーマに始まり、「メリー・ポピンズ」「スター・ウォーズ」と、誰もが1度は聴いたことのある名曲が続きます。フリー・アナウンサーの平井理央さんの解説に、映画の有名なシーンが想起されます。指揮の山下一史さんや、コンサートマスターの篠崎史紀さんが、映画の公開当時に受けた衝撃を熱弁。「スター・ウォーズでは、宇宙船が宙を飛び回っているのに、紐が見えない!」(篠崎さん)と、ヒーローが空を飛ぶシーンでの当時の「常識」が覆された感激の体験談に、場内の大人は、大笑いしながらも、大きく頷き共感。次の曲への親しみが増すような和んだ空気が流れます。

伝統あるN響は、笑いを起こすだけに終わりません。「悪者なのにかっこいい!」というダース・ベイダーに魅了された篠崎さんのエピソードを引き継ぎ、山下さんが、映画の登場人物ごとにテーマソングがあることと、ワーグナーの作曲上の特徴との関連を説明されました。そこで、手元のプログラムに視線を落とすと、「スター・ウォーズ」は複数の曲を1つにまとめた「組曲」(ジョン・ウィリアムズ作曲)であることが記されています。演奏が「ダース・ベイダーのテーマ」に入ると、客席の親子が顔を見合わせて微笑んでいました。なるほど、当時映画を見ていない子どもまでもが、解説の助けを得て、テーマの聴き分けに夢中になったようです。

 休憩をはさみ、後半が始まります。第2部は、歌手のMay Jさんとのコラボレーションで、「アナと雪の女王」「レ・ミゼラブル」「タイタニック」と、比較的記憶に新しい映画やミュージカル音楽が並びます。白のドレスに身を包んだMay Jさんの熱唱に、子どもたちは前のめり、女の子の視線は釘付けです。

演奏会も終盤に近づき、最後の2曲は「ゴッドファーザー3」からマスカーニ作曲、歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》より間奏曲と「ダイ・ハード2」からシベリウス作曲、交響詩《フィンランディア》が演奏されました。これらは、映画音楽として使われた既存のクラシック音楽です。このプログラム構成には、子どもたちや、普段クラシック音楽を聴く習慣のない人へのメッセージが隠れていたようです。「映画を通して曲に興味をもってみると、映画のために作曲された曲だと思っていた音楽が、本当はもともとあった曲だったり、オペラの中の曲だったりすることがわかるでしょう。映画からクラシック音楽にも興味を広げてほしいと思います」という山下さんの言葉に、今回の公演に込められた想いが凝縮されているように感じました。

アンコール曲は映画「E.T.」から《フライング・テーマ》。客席の1人1人が、それまでの演奏から映画音楽に潜む多様な魅力を知り、思い思いの聴き方で楽しんでいたことを、客席の柔らかな静寂が物語っていました。
会場内に設置されている持ち帰り自由な冊子


人気の「楽器体験コーナー」
なお、『ほっとコンサート』では例年、公演前後の時間に「楽器体験」のコーナーが設けられ、人気を集めています。 N響の団員を含めた専門家から楽器の手ほどきを受けられるとあって、この日も、各楽器コーナーには長い行列ができていました。「開場の1時間前から並びました。今年こそはチェロがやりたくて」こう語ってくださったのは、毎年この日を楽しみにしているという親子。本物の楽器を手に目を輝かせているのは、子どもだけではありません。「小さい頃、楽器を習えなくて。たまたまインターネットで見つけたら、私の方が興味をもってしまいました」と、子どもの頃からの憧れが叶った感動を伝えてくれました。N響サウンドを聴いた影響も大きかったようで、小学生の男の子は、「メリー・ポピンズで、ハープがかっこ良かったから!」と、体験を終えて興奮冷めやらぬまま、満面の笑みでコメントをくれました。

 楽器をもった団体は、大学の弦楽サークル仲間。「教育実習先にチラシが貼ってあるのを見て、みんなで面白そうだねって言って。楽器のリペアって、普段あまりしたことがないから。」中高生や大学生にとっては、このプロのリペアマンによる楽器診断も魅力的なお目当ての1つ。「オーケストラからの贈り物」と銘打たれた本公演。なるほど、1人1人が音楽に向ける興味や願いを、見る、聴く、触れる、知るなど、多様な角度から叶えてもらえる、まさに、みんなにとって贈り物となる演奏会でした。



主催:NHKNHK交響楽団
協賛:株式会社東芝
協力:株式会社グローバル/グローバル管楽器技術学院有志