Y-Classic こども青少年クラシック音楽普及プロジェクト:公演レポート《 Concert for KIDS〜0才からのクラシック》


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 ◉公演レポート◉                                 
             Concert for KIDS〜0才からのクラシック
2015年9月5日(土)公演

〜ユニークな編成とアーティストの笑顔が
クラシック音楽に0才のKIDSを迎える〜 
                                          
■場内には授乳室も 気配りあふれるコンサート
 Sony Music Foundationの企画制作で行われているConcert for KIDS~0才からのクラシック~はとても温かみのあるコンサートで、小さいお子様を連れたご家族の笑顔あふれる素敵な公演です。今回は全国各地で年間20公演ほど行われているうち、中野区 “なかのZERO”で行われたコンサートに足を運んできました。
 このコンサートは、“0才からの~”と謳っているだけに、ホワイエから工夫に溢れています。たとえば、コンサートで使われる楽器のイラストが描かれたパネルや、コンサートのマスコットキャラクターのパネルが、子どもたちの目線の高さに置かれています。知っている楽器のイラストを見つけて嬉しそうにしている子どもたちや、親子でキャラクターのパネルの前で記念撮影をしている姿が多く見られました。場内には、授乳室やオムツ替えのスペース、ベビーカー置き場が設けられ、設営から親子連れへの気配りが感じられます。客席に入るとたくさんのご家族からの楽しそうな声があちこちから聞こえてきます。そして、いよいよ待ちに待った演奏が始まります。
開場すると、キャラクターのパネルと記念撮影を楽しむ親子も

ロビーではパネルで楽器を紹介

開演前、ステージにはキャラクターがお出迎え




■ユニークな楽器編成で、クラシックの名曲から童謡まで
 今回はソプラノ(鵜木絵里さん)・トランペット(上田じんさん)・マリンバ(浜まゆみさん)・ピアノ(新居由佳梨さん)という一風変わった楽器編成でプログラムが組まれています。曲目は《くるみ割り人形》より〈行進曲〉、《トルコ行進曲》、オペラ《ラ・ボエーム》より〈私が街を歩くと〉や《熊蜂の飛行》、《トランペット吹きの休日》などのクラシック音楽の名曲が並びます。一方で、『どんぐりころころ』や『アイアイ』などの童謡なども含まれています。全16曲で構成され、それらがちょうど1時間という限られた時間の中で、次々と演奏されていきました。
曲と曲の間には楽器紹介や曲紹介が、ソプラノの鵜木さんによってわかりやすい言葉で説明されました。
今回の編成は、ピアノ、ソプラノ、トランペット、マリンバ



■客席の子どもたちが演奏に参加できるコンサート
 通常の大人向けのコンサートでは、客席が真っ暗になるものが多いですが、照明が1曲の間に徐々に暗くなったり、また完全に暗く落とすこともないなど、子どもを不安にさせたり驚かせたりしないための工夫が多く感じられました。
また、子どもたちが間近で音を聴き、音楽を感じられるようにと、アーティストたちがステージから下りて演奏したり、客席後方から登場したりする演出もあり、子どもたちは顔だけでなく身体ごとアーティストの方へ釘づけになっていました。
さらに、音楽を聴く時間だけでなく、一緒に童謡を歌ったり、手拍子や足踏みで一緒にリズムを刻んだりするなど、アーティストと共に子どもたち自身も演奏に参加する時間も設けられていました。終演後には「手を叩くのが楽しかった」と言う幼稚園児の男の子や、「リズムで体を動かしていました」と10ヵ月児のお母様がお話してくださるなど、反応の大きなコーナーでした。子どもたちにとって、音楽を聴くことはもちろんですが、一緒に音楽を作る体験は音楽そのものを感じる心の育成に欠かせないことでしょう。それを上手くプログラム内に組み込んでいることが感じられました。
子どもたちが参加できるプログラム『トルコ行進曲』は、このコンサートの定番曲!毎回のように演奏され続けており、「前回できなかったリズム打ちが、できるようになっている!」など、子どもの成長を見守るご両親にとっては成長を実感する機会となっているようです。
会場内をアーティストが歩きながら演奏する場面も



■企画制作者とアーティストが力を合わせて作り上げる
 演奏中に赤ちゃんの泣き声がしたり、客席の子どもたちが演奏に参加したりする子ども向けのコンサートには、アーティストの方々の協力がなくては成り立ちません。
 アーティストたちは「大きな声をあげたり、動き回ったりしても、それが子どもたちの『楽しい』という反応です。それを見て、私たちもエネルギーをもらっています」、「会を重ねつつ、企画制作者さんと出演者である私たちとで一緒にやり方を考えながら、子どもたちにとってよりよいコンサートを作り上げています」とお話してくれました。実際、客席から見ていてもアーティストの方が、子どもたちとのふれあいを心から楽しんでいる様子が伝わってきました。アーティストと企画制作者との距離もとても近く、終演後の楽屋で話している様子からは、企画制作者からの依頼でだけでなく、アーティストからの提案も組み込みながら作られているコンサートであることが伝わってきました。



■子どもは音楽を楽しみ、大人は子どもの成長を実感する
 クラシックの演奏会の中でも、0才児から入場できるこのコンサートは多くありません。「なかなか小さな子どもを連れて入れるコンサートがないので、一緒に聴くことができて嬉しい」とお話してくれたクラシック音楽好きなお父様や、「小さな子から聴くことのできるコンサートを探していたら見つけたので、足を運びました」というお母様もいらっしゃいました。
 また、ピアノを始めたばかりの男の子を連れたお母様は「かっこいい、かっこいいと聴きながら言っていたんです」と、子どもが本物を見ることの良さを再確認できるようなエピソードを聞かせてくれました。
 そして、驚いたのは10ヵ月の女の子を連れたご夫婦のお話です。なんとお子さんは10ヵ月にして今回のコンサートが3回目になるそう。「初めてのコンサートの時には、何にもわかっていないようだったけれど、今回は身体を動かしていたり、好きな曲の時には食い入るように見ていたりして、成長していることを感じました」と笑顔でお話してくださいました。コンサートに足を運ぶことで、子どもの成長を再確認することもできるようです。
 コンサートの作り手の皆さんの想いがつまった“Concert for KIDS~0才からのクラシック~”は子どもたちが音楽を耳で、身体で楽しむことができ、ご家族が音楽を通して子どもたちの成長を感じることのできる素敵なコンサートでした。







主催:中野区/なかのZERO指定管理者
協賛:ソニー株式会社/ソニー生命保険株式会社
企画制作:Sony Music Foundation



「心の復興音楽基金」支援対象活動募集(2016年度前期)

一般社団法人 日本クラシック音楽事業協会
2016年度前期「心の復興音楽基金」募集要項
(対象:2016年4月〜2016年9月実施分)
一般社団法人日本クラシック音楽事業協会(以下、当団体)は、音楽家による被災地訪問演奏の活動をサポートするための助成金制度を実施します。(募集要項のpdfこちらから)
1.目的 
当団体は、会員などを含め広く支援金を募り、これを音楽家による被災地訪問演奏活動の助成金として配布することで、被災地の子どもたちが音楽を通して元気になってもらうことを目指しています。この目的に合致した被災地訪問演奏活動をされている個人、団体の助成先を募集いたします。
2.助成対象者
応募できる事業は、次に挙げる要件を満たすこととします。
・ 日本クラシック音楽事業協会会員から推薦のあった個人、団体の方による事業であること
・ 2016年4月1日〜2016年9月30日までに実施予定の事業であること
3.助成金額
・ 経費(交通費、宿泊費、調律費など)を負担し、その活動を助成します。出演料、人件費(日当を含む)は助成対象ではありません、ご了承ください。
・ 一件あたり30万円を上限としますが、活動内容などを総合的に勘案して決定いたします。
  ※ 合計120万円前後への助成を想定しています。
  ※ 助成金交付は、報告書提出後となります。
4.助成条件
助成した活動について、事業後適切な活動報告書を提出して頂ける事を助成の条件といたします。
5.応募方法
当団体ウェブサイトから申請書をダウンロードし必要事項を記入のうえ、日本クラシック音楽事業協会事務局までメール添付にて提出してください。


提出書類:心の復興音楽基金申請書 (ダウンロードはこちらから。pdf word ) 
          ※必要項目をご記入頂ければ書式は問いません。
提出先:info@classic.or.jp
※ 応募書類は返却いたしません。なお、助成対象とならなかった団体を掲載・公表することはございません。
※ 応募書類に掲載いただく個人情報に関しましては、適切に管理し、本助成金の選定や連絡にのみ使用します。
6.スケジュール
情報公開:平成27年10月19日(月)
応募期間:平成28年2月1日(月) ~ 2月29日(月)必着
結果通知:平成28年3月18日(金)
     ※ 日本クラシック音楽事業協会よりメールにてご連絡させて頂きます。
助成金振込:報告書提出後随時
7.選考方法
日本クラシック音楽事業協会「心の復興音楽基金運営委員会」により選考及び決定をさせて頂きます。
   運営委員長  福田 成康   日本クラシック音楽事業協会副会長
    運営委員  栗林 信介   弁護士 
    運営委員  小坂 義人   公認会計士
    運営委員  丹羽  徹   日本クラシック音楽事業協会事務局長
  ※ 応募いただいた全ての団体に結果は通知いたしますが、選考の過程・理由については
    回答致しかねます。
8.助成金の授与
事業終了後、報告書を提出して頂き、承認後授与させて頂きます。
報告書の様式は、過去の報告書をご参考下さい。
http://www.classic.or.jp/2013/04/blog-post_4.html
9.問い合わせ
本件に関する問い合わせは下記宛にお願いいたします。
 一般社団法人日本クラシック音楽事業協会
     〒141-0031 東京都品川区西五反田8-1-1 鈴友ビル4F
   TEL:03-5719-7601 FAX: 03-5719-7603
   e-mail: info@classic.or.jp  URL:http://www.classic.or.jp/p/fukko.html

Y-Classic こども青少年クラシック音楽普及プロジェクト:公演レポート《N響ほっとコンサートーオーケストラからの贈り物ー》


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 ◉公演レポート◉                                 
N響ほっとコンサート―オーケストラからの贈り物―
2015年8月2日(日)公演

〜N響ならではの重厚かつ華麗なサウンドで、 
 映画音楽からクラシック音楽までを楽しむ 〜 
                                          


■映画音楽からクラシック音楽へ、興味をつなげる
NHK交響楽団が毎夏恒例で行っている人気の特別公演、「N響ほっとコンサート―オーケストラからの贈り物―」、今年も8月2日に、渋谷NHKホールで開催されました。今回のテーマは「LET’S ENJOY FILM MUSIC♪」。普段はクラシック音楽を専門とする伝統ある楽団、N響ならではの、華麗かつ重厚なサウンドで、映画音楽の名曲を楽しめるという贅沢な内容です。公演に対する期待の大きさは、3階席までびっしり埋まった客席の様子から一目瞭然です。
コンサート当日の流れ


 公演は、第1部と第2部の2部構成。第1部は、金管楽器で高らかに奏でられた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のメイン・テーマに始まり、「メリー・ポピンズ」「スター・ウォーズ」と、誰もが1度は聴いたことのある名曲が続きます。フリー・アナウンサーの平井理央さんの解説に、映画の有名なシーンが想起されます。指揮の山下一史さんや、コンサートマスターの篠崎史紀さんが、映画の公開当時に受けた衝撃を熱弁。「スター・ウォーズでは、宇宙船が宙を飛び回っているのに、紐が見えない!」(篠崎さん)と、ヒーローが空を飛ぶシーンでの当時の「常識」が覆された感激の体験談に、場内の大人は、大笑いしながらも、大きく頷き共感。次の曲への親しみが増すような和んだ空気が流れます。

伝統あるN響は、笑いを起こすだけに終わりません。「悪者なのにかっこいい!」というダース・ベイダーに魅了された篠崎さんのエピソードを引き継ぎ、山下さんが、映画の登場人物ごとにテーマソングがあることと、ワーグナーの作曲上の特徴との関連を説明されました。そこで、手元のプログラムに視線を落とすと、「スター・ウォーズ」は複数の曲を1つにまとめた「組曲」(ジョン・ウィリアムズ作曲)であることが記されています。演奏が「ダース・ベイダーのテーマ」に入ると、客席の親子が顔を見合わせて微笑んでいました。なるほど、当時映画を見ていない子どもまでもが、解説の助けを得て、テーマの聴き分けに夢中になったようです。

 休憩をはさみ、後半が始まります。第2部は、歌手のMay Jさんとのコラボレーションで、「アナと雪の女王」「レ・ミゼラブル」「タイタニック」と、比較的記憶に新しい映画やミュージカル音楽が並びます。白のドレスに身を包んだMay Jさんの熱唱に、子どもたちは前のめり、女の子の視線は釘付けです。

演奏会も終盤に近づき、最後の2曲は「ゴッドファーザー3」からマスカーニ作曲、歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》より間奏曲と「ダイ・ハード2」からシベリウス作曲、交響詩《フィンランディア》が演奏されました。これらは、映画音楽として使われた既存のクラシック音楽です。このプログラム構成には、子どもたちや、普段クラシック音楽を聴く習慣のない人へのメッセージが隠れていたようです。「映画を通して曲に興味をもってみると、映画のために作曲された曲だと思っていた音楽が、本当はもともとあった曲だったり、オペラの中の曲だったりすることがわかるでしょう。映画からクラシック音楽にも興味を広げてほしいと思います」という山下さんの言葉に、今回の公演に込められた想いが凝縮されているように感じました。

アンコール曲は映画「E.T.」から《フライング・テーマ》。客席の1人1人が、それまでの演奏から映画音楽に潜む多様な魅力を知り、思い思いの聴き方で楽しんでいたことを、客席の柔らかな静寂が物語っていました。
会場内に設置されている持ち帰り自由な冊子


■人気の「楽器体験コーナー」
なお、『ほっとコンサート』では例年、公演前後の時間に「楽器体験」のコーナーが設けられ、人気を集めています。 N響の団員を含めた専門家から楽器の手ほどきを受けられるとあって、この日も、各楽器コーナーには長い行列ができていました。「開場の1時間前から並びました。今年こそはチェロがやりたくて」こう語ってくださったのは、毎年この日を楽しみにしているという親子。本物の楽器を手に目を輝かせているのは、子どもだけではありません。「小さい頃、楽器を習えなくて。たまたまインターネットで見つけたら、私の方が興味をもってしまいました」と、子どもの頃からの憧れが叶った感動を伝えてくれました。N響サウンドを聴いた影響も大きかったようで、小学生の男の子は、「メリー・ポピンズで、ハープがかっこ良かったから!」と、体験を終えて興奮冷めやらぬまま、満面の笑みでコメントをくれました。

 楽器をもった団体は、大学の弦楽サークル仲間。「教育実習先にチラシが貼ってあるのを見て、みんなで面白そうだねって言って。楽器のリペアって、普段あまりしたことがないから。」中高生や大学生にとっては、このプロのリペアマンによる楽器診断も魅力的なお目当ての1つ。「オーケストラからの贈り物」と銘打たれた本公演。なるほど、1人1人が音楽に向ける興味や願いを、見る、聴く、触れる、知るなど、多様な角度から叶えてもらえる、まさに、みんなにとって贈り物となる演奏会でした。



主催:NHK/NHK交響楽団
協賛:株式会社東芝
協力:株式会社グローバル/グローバル管楽器技術学院有志

Y-Classic こども青少年クラシック音楽普及プロジェクト:主催者インタビュー《日本フィルハーモニー交響楽団夏休みコンサート》


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 ◉主催者インタビュー◉                              
日本フィルハーモニー交響楽団夏休みコンサート
2015年7月18日(土)〜8月2日(日)公演
お話いただいた方:日本フィルハーモニー交響楽団 企画制作部副部長 賀澤美和様
                                                                         インタビュー日:2015年7月31日(金)
クラシック音楽を一生のパートナーに




―本日はお忙しいところお時間をいただきましてありがとうございます。コンサートでは子どもたちの楽しそうな姿が印象的でした。“日本フィルハーモニー交響楽団(以下日本フィル)ならでは”の夏休みコンサートはどのように作り出されたのでしょうか。
夏休みコンサートは昨年で40周年を迎えました。40年前には既に、子どもの無気力化など社会問題になっていました。そのような状況の中、楽団として音楽家が社会のためにできることを真剣に考えた結果、夏休みコンサートが企画されたのです。当時の音楽鑑賞教室は、大人が聴かせたい曲目ばかりで構成されるなど、本当に子どものためを思って作られたコンサートとは言い難い内容でした。日本フィルは当時から、学校の先生や教育委員会、評論家など有識者の方々にもご協力いただき、子どもに楽しんでもらえるコンサートを作ることができるよう、工夫を重ねてきました。このことが、日本フィルの強みとなっています。

―コンサートでも楽員と出演者、スタッフの方々の「一体感」を感じました。現在はどのような協力体制になっているのでしょうか。
現在でも事務職員、楽員による夏休みコンサートプロジェクトチームがあり、音響や照明スタッフの方と協力して夏休みコンサートの企画運営をしています。また、20年以上にわたって歌と司会で出演してくださっている江原陽子さんをなくしてこのコンサートは語れませんし、子どもにも大人にもわかりやすく美しい演出・振付をしてくださるスターダンサーズ・バレエ団の鈴木稔さんの存在も欠かせません。すべての方の力で夏休みコンサートができあがっています。

―他の子ども向けコンサートと最も大きく異なるところは、なんといっても圧倒的な公演数にあると思います。今年も連日にわたり、9カ所17公演エネルギッシュな本番をこなされましたが、なぜこのように多くのホールで多くの公演を打とうとお考えになったのでしょうか?また、これだけの数をこなすために工夫されていることはありますか?
 多くの子どもたちに、家族そろって、身近なホールでオーケストラを楽しんでほしいからです。都心のホールまでは来られないご家族も、地元のホールで同じ公演が楽しめます。公演数が大変多いので、出演者の負担過多にならないよう、コンサートの時間を「休憩込み1時間45分以内」と決め、本番の時間管理には細心の注意を払っています。

―公演を行う各市や区の教育委員会や文化振興財団等との連携に多大な努力をされていると思います。公演の告知などについて、諸団体のサポートなどはあるのでしょうか。
後援をいただいた市町村の教育委員会、校長会、音楽教育研究会などで学校の先生方へご挨拶し、チラシの「全校配布」をさせて頂いております。また、共催していただいているホールや財団では、友の会DMへの封入や、ポスター掲示などで多大なご協力をいただいています。

―コンサートの構成が、1部はオーケストラ曲、2部はバレエ、3部は“みんなで歌おう”という「三部構成」になっているのもこのコンサートの特徴であると感じました。
オーケストラを集中して聴いて、バレエを見て、最後は自分も参加する、という「メリハリ」を大切にしています。構成や台本の作成も、外部の台本作家に依頼するのではなく、「夏休みコンサートプロジェクトチーム」で1年かけて作っています。

―曲目はどのように決定されているのでしょうか。
夏休みコンサートには、“古今の名曲をご家族で聴いていただく”というコンセプトがあり、それに合わせて毎年テーマを決めて選曲をしています。今年は「みんなが好きなものを正面から」お聴きいただくということで、有名な《運命》や《ハンガリー舞曲》などを選びました。選曲の際には、子どもたちだけではなく、「ご家族で」楽しんでいただくということを常に考えています。また、楽員の意見や学校の先生のご意見も取り入れています。

―対象としていらっしゃるお子様の年齢層をお教え頂けますか。
小学校2~3年生を対象にしていますが、未就学児も多くいらしているので、大体5~9歳位がメインの年齢層です。

―お子様への向き合い方として気を付けていらっしゃることはありますか。
アンケートの子どもたちの感想を見ると、その多様な感性に驚かされることが多いです。そのため、曲目選択の際にも「子どもはこんな曲が好きだろう」という先入観に捉われないよう心がけています。

―公演のリピーター率はどのくらいなのでしょうか。
毎年4~5割の方がリピーターでいらしてくださっています。40年続けていると、子どもの頃にいらした方が、ご自分のお子様や親御さんを連れていらしてくださることもあり、「三世代コンサート」になっていることを実感します。

―最後に「夏休みコンサートの今後の展望をお聞かせ下さい。
このコンサートをきっかけに、音楽が一生のパートナーになってくれればと願っています。何かあったときの「心の支え」の一つとしてクラシック音楽があるということを、多くの子どもたちが気付くきっかけになる。そんなコンサートであり続けたいと思っています。


―本日はありがとうございました。


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Y-Classic こども青少年クラシック音楽普及プロジェクト:公演レポート《日本フィルハーモニー交響楽団夏休みコンサート》


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 ◉公演レポート◉                                 
日本フィルハーモニー交響楽団夏休みコンサート
2015年7月18日(土)〜8月2日(日)公演

〜40年以上の歴史ある子ども向けコンサート、 
 今年も関東圏で17公演開催〜 
                                          
 7月18日から8月2日にかけて、日本フィルハーモニー交響楽団による子ども向けの「夏休みコンサート」が開催されました。首都圏で12日間、全17公演が行われ、連日家族連れで賑わいました。期間の前半と後半では指揮者が交代し、7月26日までは園田隆一郎さん、7月28日以降は三ツ橋敬子さんが指揮台に上がりました。今回クラシック音楽事業協会では、7月31日に相模女子大学グリーンホールで行われた公演を取材しました。この日のチケットは完売で、開場前から多くの親子がホールの前に集まり、コンサートに対する期待が伝わってきました。


■開演前から溢れる期待感
 開演時間は14時でしたが、お客さんへの歓迎の気持ちを込めて、開演前の13時15分からロビーにて楽員による「ウェルカムコンサート」が行われました。J.S.バッハ作曲《2つのヴァイオリンのための協奏曲》より第2楽章と、サンサーンス作曲《動物の謝肉祭》より「白鳥」が楽員によるトークを交えて演奏され、子供たちは間近で聴くチェロやヴァイオリンの音色に耳を傾けました。


■いよいよ本番

 「夏休みコンサート」は3部構成で行われ、第1部のオーケストラ曲の演奏の後、15分の休憩が入り、第2部ではバレエ、第3部では子どもに人気のある歌が演奏されました(第2部と第3部の間は休憩なし)。オーケストラのチューニングが終わり、指揮者の三ツ橋さんが入場すると、子どもたちの多くは女性の指揮者を見るのが初めてだったからでしょうか、目を輝かせてその様子を見つめていました。

【第1部】
 第1部のプログラムはベートーヴェン作曲の交響曲第5番「運命」、ブラームス作曲の《ハンガリー舞曲》第5番、ビゼー作曲の《カルメン》より「闘牛士の行進」、ホルスト作曲の組曲《惑星》より「ジュピター」。どの曲も“これぞオーケストラ”という名曲ばかりで、子どもたちは食い入るように聴き入っていました。
 曲間には司会の江原陽子さんが曲やオーケストラに関するわかりやすい解説がありました。2曲目のブラームス《ハンガリー舞曲》第5番では、指揮者の役割についての説明がありました。曲の冒頭を、1回目は通常のテンポで、2回目はテンポや音量に変化をつけて演奏し、身体と指揮棒の動きでオーケストラに音楽を伝える指揮者の役割が、わかりやすく解説されました。
ホルストの「ジュピター」に入る前には、この曲ではティンパニが2組使用され奏者も2人いること、またティンパニが打楽器としてリズムを刻むためだけではなく、旋律主題を演奏するためにも用いられていることが実演を交えて説明されました。2人のティンパニ奏者が旋律主題を手を交差させて演奏する様子に歓声をあげる子どもも見られました。

【休憩】
 第1部が終了し、15分間の休憩に入ると、プログラムに書かれた楽曲解説を熱心に眺める子どももいて、オーケストラへの関心が高まっていることが窺えました。解説にはすべてふりがながふってあり、子どもでも読みやすいように工夫されていました。ロビーでは日本フィルオリジナルのTシャツと公演の曲目を収録したCDが販売され、多くの方が記念に購入されていました。

【第2部】
 第2部では、スターダンサーズ・バレエ団の鈴木稔さんが“子どもにも大人にもわかりやすく”演出・振付した「日本フィル夏休みコンサート2015版」の《くるみわり人形》が上演されました。ステージの前方を使ってダンサーが本格的なバレエを披露し、キラキラしたかわいらしい衣装や優雅な踊りに引き付けられた子どもも多かったようでした。



【第3部】
 続く第3部は、子どもたちが大好きな曲を歌う会場参加型。第2部まで司会として登場していた江原陽子さんが歌を歌い、会場をリードしました。江原さんは東京芸術大学の声楽科に在学中からNHKの教育番組でも活躍されていた方で、子どもの心を掴んで離さない演出に会場全体が夢中になっていきました。1曲目はトトロの「さんぽ」を元気に歌い、次は「ようかい体操第一」。指揮台の上でジバニャンの被り物をかぶった三ツ橋さんが「ようかい体操」を踊ると、大人からも子供からも歓声が上がりました。その後は「アナと雪の女王」より「Let It Go~ありのままで~」、「勇気100%」と続き、楽しい演出に大興奮のまま本編が終了しました。アンコールでは、三ツ橋さんが「アナと雪の女王」の「オラフ」の被り物をかぶって《ラデッキー行進曲》を演奏し、子どもたちもリズムに合わせて一生懸命手拍子していました。





■子どもがクラシックコンサートに親しむきっかけに
 終演後は指揮者と楽員を囲み、ロビーで懇談会が行われました。子どもたちは、「どうやったらヴァイオリンがうまくなりますか」、「コントラバスはどうして大きいのですか」など、熱心に質問していました。また、コンサートの曲目を収録したCDのサイン会にも長蛇の列ができていました。


 休憩と終演時に、来場された親子にインタビューを行いました。クラシックコンサートには初めて足を運ぶという親子も多く、「子どもが楽器を始めたので生のクラシック音楽コンサートを聞かせてみたいと思った」ことや、「有名な曲が多かった」ことが今回のコンサートに来場したきっかけになったようでした。また、子どもたちからは、「オーケストラの楽員のような演奏ができるようになりたい」という声や、「バレエがとてもよかった」という声が聞かれ、それぞれの子どもたちが様々な思いでコンサートを楽しんでいたことが窺えました。終演後も子どもたちは三ツ橋さんと写真を撮ったりロビーでバレエの真似をしたりしていて、このコンサートが夏休みの楽しい思い出の一つとなったようでした。




主催:公益財団法人 日本フィルハーモニー交響楽団
共催[7/31公演]:公益財団法人 相模原市民文化財団
協賛:日清製粉グループ
後援:文化庁、相模原市教育委員会[7/31公演]