Y-Classic こども青少年クラシック音楽普及プロジェクト:主催者インタビュー《ピティナ・夏休みピアノコンサート祭り》


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 ◉主催者インタビュー                              
「ピティナ・夏休みピアノコンサート祭り」
    2015年7月22日(水)公演
 お話いただいた方:全日本ピアノ指導者協会 有門真希様
                                                                         インタビュー日:2015年8月7日(金)


「日本中の学校とホールに良質な音楽を届けたい」


●「ピティナ・ピアノステップ」から生まれた「トークコンサート」●

−−「トークコンサート祭り」とは何ですか?
ピティナでは日本全体の音楽レベルを上げようと「ピティナ・ピアノステップ」を全国各地で開催することを目標としております。「ステップ」は、ピアノを愛する人が誰でもステージ上で演奏できるイベントで、ピティナ会員のピアノ指導者らがアドバイザーとして訪れます。「トークコンサート」は、ピティナ・ピアノステップ(2014年度 全国 524地区)の合間に15分で開かれるアドバイザーによる入場無料のコンサート(234地区で実施)です。ステップ・アドバイザーが参加者の評価をするだけでなく、自らステージで演奏することで参加者と同じ立場に立ち、なおかつプロならではの質の高い演奏を全国各地の皆様にお届けしています。参加者のご家族、お友達が日頃聴くことができないプロの生演奏を聴くよい機会になっています。


−−「トークコンサート祭り」のねらいを教えてください。
会場となった「北とぴあ」のある東京都北区の子供たちに聞いてもらうことは大きな目的の一つですが、「トークコンサート祭り」は、全国各地で行われている「トークコンサート」の展示会的な位置付けで行っています。ピアニストが他の出演者のトークコンサートも見学できますし、すべてを映像収録して公開していますので、出演者同士がお互い切磋琢磨することができるようになっています。


−−教育委員会からのサポートを受けていますが、具体的にはどのような支援なのでしょうか?
区によって得られるサポートは様々ですが、特にお付き合いの長い北区では、チラシを学校の配布物として配送してくださいます。「学校からの配布物」というのは、お手元にわたる親御さんからの大きな信頼を得られます。収入は入場料のみで、その他に金銭面のサポートはありませんが、教育委員会の後援は大きな強みです。


−−出演料をお聞きしてもよろしいでしょうか?
「トークコンサート祭り」の出演料はプロ奏者に対する料金としては低めです。しかし、それでも「アーティストでありつつも教育者としての立場を大事にしたい」「準備がとても勉強になる」「子どもたちにピアニストとしての自分の名前に親しんでもらいたい」と、有益であるとご判断くださる方々にお力添えいただいています。なお、「ピアノステップ」は全国各地でおこなっており、年間1800名分の交通費・宿泊費を支給しています。ピティナとしてはそこに惜しみなく経費を掛けていきたいと考えています。



子どもを飽きさせない長さ・パンフレット・構成●

−−子ども向けコンサートということで、工夫されたことはありますか?
会場にスライドを設置し、写真や絵を見せることで子供たちにイメージを膨らませやすいようにしようと心がけました。また、出演者一人の持ち時間が15分と短く、1部につき4人の出演者で60分構成となっているのは、子どもたちの集中力を切らせないようにという意図です。そして、各部の間に90分の間があけられているのは、「子どもにとって複数の部を連続して聴くのは大変。どれか1部を選んで聴いていただこう」という配慮です。


−−当日お客さんに配られたパンフレットは、書き込み式になっていましたね。ピアノの「鍵盤の数」や「重さ」、国による音楽の特徴などが書き込めるようになっていました。
はい。もともとこのコンサートは「夏休みの自由研究にしてもらおう」というコンセプトがありました。ただ聴くだけではなく、自分で書き込むことで印象に残りやすいのではと思い、こういった形にしました。このコンサートが音楽をテーマとした自由研究のきっかけになってもらえればうれしいですね。


−−第3部の「いろいろな楽器の魅力」というテーマは、ピアノのコンサートであるにもかかわらず他の楽器の演奏が聞けるというめずらしい企画でした。
そうですね。今後もこういう他楽器のアーティストの会員を増やし、ピアノ以外の音色について知ってもらったり、音楽におけるアンサンブルの大切さなども伝えていきたいです。こういった企画は今後も続けたいと考えています。


−−本日は貴重なお話をいただきありがとうございました。